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イングリッシュ・ シェパード
そうしてカラカス産業が誕生したのさ。

Transcription

  1. イングリッシュ・ シェパード:

    そうしてカラカス産業が誕生したのさ。

  2. ユミ:

    …復讐のために悪魔と契約したということですね。

  3. イングリッシュ・ シェパード:

    そういうこと。

  4. イングリッシュ・ シェパード:

    カラカス産業は一見ただの高分子工学関連企業だったけど、その実態はPECSの最も鋭いナイフだったんだ。

  5. ユミ:

    え?それはポセイドンインダストリーじゃないんですか?

  6. イングリッシュ・ シェパード:

    …少し方向性が違う。膿を出す時に銃は使わないだろう?ナイフで小さく切って絞り出すだけだ。

  7. イングリッシュ・ シェパード:

    確かにポセイドンインダストリーはPECSで最も武力を持った企業さ。実際に優れた兵器を大量に作って運用していたからな。

  8. イングリッシュ・ シェパード:

    でも、それ故にポセイドンは制約が多くて動きにくかった。ポセイドンが動けば政府が介入する可能性が高まるから。

  9. イングリッシュ・ シェパード:

    それはPECSも一番避けたい事態だ。連合戦争前の企業は政府の顔色を窺ってたから……

  10. イングリッシュ・ シェパード:

    PECSが必要としていたのは、政府に気付かれないような小さな……例え気付いたとしても気に障らないような小さなナイフ……

  11. イングリッシュ・ シェパード:

    でも、目標を確実に除去することができる鋭いナイフだったのさ。

  12. イングリッシュ・ シェパード:

    少し脱線したね。話を戻すよ。

  13. イングリッシュ・ シェパード:

    シモン・ブランコはPECSの忠実な猟犬として、たくさんの悪事を行った。

  14. イングリッシュ・ シェパード:

    私はまだその時は作られてないから詳しい状況までは分からないけど……それはもう伝説的な活躍をしたらしい。

  15. イングリッシュ・ シェパード:

    そして、シモン・ブランコの忠誠心と能力に満足したPECSの会長たちは、彼に“ある物”を贈った。

  16. シモン・ブランコ:

    会長、お呼びでしょうか?

  17. オメガ産業会長:

    やあ、シモン!もう来たのか、約束の時間にはまだ早いだろう。

  18. シモン・ブランコ:

    火傷のあとがズキズキ痛みまして……鎮痛剤を打つために早起きしたもので。

  19. オメガ産業会長:

    おーおー…大変だな、君も……あの時しっかり治療できてなかったのか?

  20. シモン・ブランコ:

    傷は残りませんでしたが……神経のダメージは治療できなかったと医者に言われています。

  21. シモン・ブランコ:

    風に触れただけでもズキズキするんで、どうやら一生この包帯を巻いて生きていかないといけないようです。

  22. オメガ産業会長:

    ああ、それは難儀なことだな。

  23. オメガ産業会長:

    だが、鎮痛剤も打ち過ぎないようにしないと、精神的にはあまりよろしくないよ。あれも依存性というものがあるからね。

  24. オメガ産業会長:

    老人の小言はこのあたりにしよう。今日は君に日頃の礼をしたくて この場を設けたのだから。

  25. シモン・ブランコ:

    礼……ですか?

  26. オメガ産業会長:

    そう!君は今までPECSに多大な貢献をしてくれた。特にその忠誠心は格別のものがある。君を迎え入れたワシの目は正しかった。

  27. オメガ産業会長:

    だから、ワシは君の献身に応えるために、ささやかなプレゼントを用意したよ。

  28. オメガ産業会長:

    君の娘の遺体を回収することができた。

  29. シモン・ブランコ:

    ……

  30. シモン・ブランコ:

    これは……本当に……想像すらできませんでしたね……

  31. シモン・ブランコ:

    何と言うべきか……

  32. オメガ産業会長:

    何、あの事件が起きた時、助けることができなかったワシのせめてもの償いだよ。

  33. オメガ産業会長:

    そして、もう一つ。

  34. オメガ産業会長:

    最近エルネストは別の独立部隊を率いているだろう?だからワシも考えてみた。……そろそろ君には新しい副官が必要だと思うんだよ。

  35. オメガ産業会長:

    だから君の副官となるバイオロイドを作っている。少々特別な奴をな。

  36. シモン・ブランコ:

    …第二のラビアタでも作るんでしょうか?

  37. オメガ産業会長:

    はははは……残念だが、ワシらにそこまでの技術力はないからそれはできない。

  38. オメガ産業会長:

    ワシが言う特別は性能の面じゃない。

  39. - :

    - 老人はシモン・ブランコに近付き、耳元で囁いた。

  40. - :

    - シモンは目を見開いて老人の顔を見た。

  41. シモン・ブランコ:

    …何かの冗談ですか?

  42. オメガ産業会長:

    そんなわけなかろう。

  43. - :

    - 老人の不気味な笑顔が消えることはなかった。

  44. - :

    - シモンは直感的に理解した。老人の提案は決して善意からのものではない。

  45. - :

    - これは自分の首に掛けられた新たな首輪であり、首を絞めあげる縄だと……

  46. - :

    - しかし、シモンはこの提案を拒否することはできなかった。

  47. オメガ産業会長:

    最終的には君が決めたらいい。どうだね?

  48. シモン・ブランコ:

    ……

  49. シモン・ブランコ:

    ……よろしくお願いします……

  50. オメガ産業会長:

    はは!結構結構!

  51. オメガ産業会長:

    では、君の副官になるのだから君が名前をつけるといい。

  52. シモン・ブランコ:

    …名前、ですか……

  53. シモン・ブランコ:

    だったら……

  54. - :

    - シモンはセピア色に染められた記憶を辿った。

  55. - :

    - そのバイオロイドに付ける名前は、それしか浮かばなかった。

  56. シモン・ブランコ:

    …シェパードでお願いします。

  57. オメガ産業会長:

    シェパード?

  58. シモン・ブランコ:

    …はい、シェパードにします。

  59. シモン・ブランコ:

    イングリッシュ・シェパード……