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…この手を絶対に離さない。

Transcription

  1. …この手を絶対に離さない。

  2. 悪竜からミッドガルドを取り戻すために、竜殺しの冒険は続いた。

  3. 別次元の平行世界からやって来た巨大な氷の竜は、竜殺者に尋ねた。

  4. [誰よりも強い意志を持った人の子よ。そなたの決意に満ちた瞳の奥に切実な願いが見える]

  5. [そなたがその願いを叶えられるよう私が手を貸そう]

  6. [私と契約し、共に悪竜からミッドガルドを守護しよう]

  7. [盟友よ、そなたは誰よりも強い意志を持っておる]

  8. [しかし、そなたは心のどこかでいつも独りになろうとしている……]

  9. [強さとは…時に人を孤独にする]

  10. [だが、そなたのその強さを乗り越えて、そなたの孤独を埋めてくれる者が現れるだろう]

  11. 霧に包まれた湖のほとりにある赤い古城、そこで伝説として語り継がれた真祖の姫君は竜殺者に言った。

  12. [貴様が噂の竜殺者か]

  13. [なるほどなるほど…余と同じようにこの世のものではない力を感じる]

  14. [よし、決めた!貴様!余の眷属となれ!]

  15. [な、何!?断るだと!?ええいっ!貴様の意思など聞いてはおらん!これは余の決定である!余の決定は絶対だ!]

  16. [まったく……愚かな奴だ……]

  17. [そんな下らぬ理由で余を守ったのか……?]

  18. […ぁ、ありがとう。ふ、ふん!何でもない!やはり貴様、余の眷属となれ!もう一度言うが、貴様の意思など関係ない!これは余の決定である!]

  19. ミッドガルドで最も高い山脈を支配する偉大なハーピーの王は、竜殺者をあざ笑った。

  20. [氷の竜、生意気なガキ、そしてただの人間?ははは!面白い組み合わせだな]

  21. [俺様はここを支配する偉大なるハーピーの王。残念だがお前たちの旅はここまでだ]

  22. [故あってお前たちを通すことは出来ない]

  23. [俺様にも使命がある…!それを全うすることがハーピーを統率する王としての責任だ!]

  24. [皆を守るためなら俺様は何でもする!迷っている暇などない!]

  25. [ハハハ!お前たちに出会えてよかった!]

  26. [お前の正義が俺の目を覚ましてくれた。ありがとう、友よ]

  27. 最後に残った最凶の悪竜は、竜殺者を理解することはなかった。

  28. [なぜまだ動ける?なぜ足掻く?]

  29. [お前の仲間たちはすでに深き闇に飲み込まれた。もうここから抜け出すことは出来ない]

  30. [終わった命、諦めることこそが唯一の救いだ。なぜそれが分からない]

  31. [はははは!いいだろう、竜殺者!それならば…お前のその光すら飲み込んでやろう!]

  32. …絶対にこの手を離さない。

  33. だから…君も俺の手をずっと握っててくれ。

  34. 彼女は竜殺者にこう言った。

  35. [はい。いつまでも…この世の最後まで……]