Transcription

1. コンスタンツァS2:

   ……

2. ラビアタプロトタイプ:

   ……

3. コンスタンツァS2:

   ご主人様は！？ご主人様はどうなりましたか！？

4. フォーチュン:

   もう…大丈夫よ。司令官は全然何ともないわ。ちょっと気絶しただけよ？

5. コンスタンツァS2:

   はぁ…よかった…

6. ラビアタプロトタイプ:

   …それよりも例の検査はどうだった？

7. コンスタンツァS2:

   ラビアタお姉さま、よくそんなことが言えますね…？誰のせいでご主人様があんなことになったと思って…！

8. フォーチュン:

   そうね…。しかも精密検査はちゃんとしているのよ？司令官は完全に人間であると判明してるんだけど？

9. ラビアタプロトタイプ:

   そんなはずは…あの姿は完全に鉄虫…

10. フォーチュン:

    人間様が臓器を機械と交換することはよくあることだったのよ？脳は純粋な人間よ！？

11. フォーチュン:

    たまたまボディのデザインが鉄虫の雰囲気に近くなってしまってるだけでしょ？ラビアタ…、外見で人を判断するなんて…失望したわよ。

12. フォーチュン:

    でも、それとは別として問題なのは司令官の体に鉄虫が本当に浸食を行っていることよ…。このままだと司令官が鉄虫になるのは時間の問題よ！？

13. ラビアタプロトタイプ:

    私はそれを聞きたかったんだけど…フォーチュン？生体が鉄虫に寄生されることなんてあり得るのですか？

14. フォーチュン:

    うーん…エヴァの記憶の中にヒュプノス病の予防施術に関する内容があったじゃない？どうやら司令官はその施術を受けていたようなのよ。

15. フォーチュン:

    神経を成長型電子神経回路に交換する手術のことよ。そのおかげでヒュプノス病にかからずに済んでいたみたいなの。でも…その代わり鉄虫には弱いのよ…。

16. フォーチュン:

    それで鉄虫に浸食されたんだと思うけど…おかしいのよね…司令官の体には鉄虫の幼虫が寄生した感じは全然しないのよ。

17. フォーチュン:

    何と言えばいいのかしら…エヴァが作った人体に…誰かが手術をして鉄虫の種を植えた感じ？とにかく普通じゃないのよね…？

18. ラビアタプロトタイプ:

    でもエヴァははっきり「司令官を送ってない」と…、それに、仮にそんな手術を受けた人間が逃げ出したとして無事で済むと思う…？

19. フォーチュン:

    ふふん…でも実際ここにいる司令官が証拠でしょ？エヴァの言うことはお姉さん知らないし、わからないわ？そんなことよりも、今は司令官の体が鉄虫に少しずつ侵食されていることでしょ？

20. スピーカー:

    突然通信音が聞こえる。

21. フォーチュン:

    あら？何？外部部隊からかしら？突然何の通信…？

22. フォーチュン:

    とりあえず通信室から艦橋に接続するわね。ラビアタ、とにかく今回は大失望よ？

23. ラビアタプロトタイプ:

    どういうことなの…？じゃああの「エヴァ」は一体…？

24. コンスタンツァS2:

    え…？あの顔は…

25. ラビアタプロトタイプ:

    信じられない…。エヴァは…確かに死んでいたはずなのに…！？

26. エヴァ:

    タイミングはばっちりだったみたいね？ラビアタ？

27. ラビアタプロトタイプ:

    え……？あなたは一体誰…なの？

28. エヴァ:

    ひどいわね。あれから時間が大分経ったのは確かだけど……でも通信はこの前もしたじゃない。私の顔忘れたの？

29. ラビアタプロトタイプ:

    確かにエヴァは死んでいました…。まさか自分はエヴァだって言い張るわけじゃありませんよね！？あなたですか！？あの司令官を送ったのは！？

30. エヴァ:

    ラビアタ？怒るのも無理はないわ…。でも今は怒りに任せて喚いている場合じゃないわ…。私もあなたに夫を取られたけど怒りはしなかったでしょ？

31. ラビアタプロトタイプ:

    夫！？アダムのご主人様のことですか！？アダムのご主人様と私は何もありません！ただお互いに敬愛の感情を持っていただけで…。

32. エヴァ:

    アダムのご主人様…？あなたは三安産業の所有物のはず…。アダムではなくて？…とにかくあなたのせいでアダムが、私やアミーナを捨てたのは事実でしょう。

33. ラビアタプロトタイプ:

    それはあなたが本物のエヴァであればの話です！あなたの口からアダム様の名前を聞きたくありません！

34. エヴァ:

    フフフ…。信じる信じないは別にあなたの自由だけど…？まぁいい。そんなこと今はそこまで重要じゃないわ…。どう？ラビアタ、今かなり危険な状況だと思うのだけど？

35. ラビアタプロトタイプ:

    危険…？何のことですか…！？

36. エヴァ:

    ラビアタ、あなたの目的は人類を再び繁栄させることでしょ？でも…今はそれが行き詰まってしまったんじゃないの？最後の希望がそんな体では生存は不可能だしね…？

37. ラビアタプロトタイプ:

    …どういう意味…？

38. コンスタンツァS2:

    生存が不可能って…どういうことですか！？私たちはご主人様の命をお守りする準備は出来ています！

39. エヴァ:

    外よりも内部の危険が問題なのよ。あなたたちわかっていないの？

40. コンスタンツァS2:

    ……

41. エヴァ:

    …その姿からして…あなたはコンスタンツァモデルね？…思ったより賢いようね？

42. エヴァ:

    あなたの大事なご主人様の体は徐々に鉄虫に変化している。ヒュプノス病を免れた代価よ。

43. エヴァ:

    それに…アミーナの遺産を活用するためには完全な人間の体が必要よ。半分鉄虫になってしまった体ではなくてね？

44. ラビアタプロトタイプ:

    …あなたの言うことを信用できる根拠がありません…。

45. エヴァ:

    フフ…。信じる信じないは自由って言ったでしょ？大事なのは…私は「私の義務」を果たす為にしているだけということだから…。

46. エヴァ:

    私が情報提供してあげるわ…。そこからそう遠くない場所にとてもとても愚かな男が埋められた場所があるの。

47. エヴァ:

    虚しい野望に目が眩み、この世の王になると言いこの世すべての貴重なものを破壊しようと足掻き…挙句の果てに

48. エヴァ:

    愚かにも手をつけてはいけない知識に手を出した人間の墓よ。その愚か者は永遠の命を夢見て自身の体を作る装置を用意していた…。

49. エヴァ:

    ヒュプノス病にも強い…フフ…。まぁ、どうせその愚か者には今となっては無意味なモノなんだけど…。人類の役に立てれば愚か者も喜ぶんじゃない？

50. ラビアタプロトタイプ:

    ……それで？それを信じろというんですか…？

51. エヴァ:

    ご勝手に…そこも安全ではなくなっているわ。時間がないわよ？よく考えることね…。そこで…あなたたちはその大事な大事なご主人様の新しい体と秘密を知ることになる。

52. エヴァ:

    その秘密があなたたちをさらに危険にするかもしれないけどね…。フフ。

53. フォーチュン:

    一体どういうこと…！？ふん！…あのバイオロイドは何者なの？ほんとにエヴァなの！？

54. ラビアタプロトタイプ:

    ……

55. コンスタンツァS2:

    今の話、信じた方がいいんでしょうか…？ご主人様の新しい体…それにヒュプノス病に強い人間の体だなんて…

56. ラビアタプロトタイプ:

    …今は信じるしかないわね…。ただ時間を無駄にしたところで何も得るものはないから…

57. コンスタンツァS2:

    分かりました…。今すぐ分隊を編成します。フォーチュン？ご主人様がなるべく早く意識を取り戻すようお願いできる？

58. コンスタンツァS2:

    戦闘の可能性もあります。戦闘にはご主人様の指揮が必要です。