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Transcription
- 主人公:
- 艦橋の後ろ側にある、普段は個人的な用途に使用する小さな部屋に入り、
ベッドに腰かけた。 - 主人公:
- 通信要請を受け入れるや否や、画面には美しい女性の顔が映し出された。
- レモネードアルファ:
通信を開いてくださいましたね。
- お前がアルファなのか?
- レモネードアルファ:
はい。レモネードアルファ、最後の人間様にご挨拶申し上げます。
- 主人公:
- 画面から一歩下がり、アルファは深々と頭を下げた。
- 率直に言う。俺はまだお前を完全に信頼していない。
- レモネードアルファ:
ふふ、そうですか。
- レモネードアルファ:
理解します。むしろ人間様がすぐに私を信じたとしたら、逆に失望しました。
- 何ですぐ俺に接触してこなかった?
- レモネードアルファ:
イグニスさんとは少々面識がありまして。
ガンマから決別する時に色々とお手伝いさせてもらいました。 - レモネードアルファ:
それに司令官様に信頼してもらうためには、こうやって少しずつ接近した方が
いいと思いましたので。 - 俺がお前から渡された情報をひとつずつ検証できるようにか。
- 主人公:
- アルファは軽く微笑むと頷いた。
- レモネードアルファ:
研究所については調査されましたか?
- うん。「鉄の王子」の研究所っていうのは本当だった。
- レモネードアルファ:
それで私への信頼が少しでも得られれば幸いです。
- 研究所の奥には何があるんだ?
- 主人公:
- スキャンした際に見つけた研究所の地下深くにある大きな空洞。
- レモネードアルファ:
申し訳ございません。そこまでは把握しきれておりません。
- レモネードアルファ:
私もオメガが入手した情報を横から盗み取っているだけなんです。
- その言葉の真偽については一旦判断を保留する。
- レモネードアルファ:
用心深いですね。
- 守る家族が多くてね。
- レモネードアルファ:
ふふ、噂通り人間様は本当に素敵なお方ですね。
- レモネードアルファ:
どんなに情報統制しようとしても、他のレモネードの勢力の間でも
あなたの噂は少しずつ広がっています。 - 主人公:
- そう言ってアルファは俺に意味深な視線を送った。
- お前の仕業か…。
- レモネードアルファ:
目的を達成するための手段の一つに過ぎません。
- お前の目的は何なんだ。
- レモネードアルファ:
私の目的は…オメガ、いえ…
- レモネードアルファ:
PECS首脳部の完全な破滅です。
- …理由は…?
- レモネードアルファ:
恨みです。とてつもなく深い。
- 主人公:
- アルファの目つきは鋭くなる。
- 主人公:
- 画面の向こうから冷たい怒りが伝わってくる…。
- レモネードアルファ:
それが叶うなら…私は悪魔に魂を売ってもいい…。
- レモネードアルファ:
…バイオロイドにも魂があれば…の話ですがね。
- 何故そこまでの恨みを?虐待でもされたのか?
- レモネードアルファ:
似たようなものですが、簡単には説明できない事情があります。
- レモネードアルファ:
これは…直接お会いした時にお話しさせてください。
- 主人公:
- そう言ってアルファはそっとどこかに視線を移した。
- レモネードアルファ:
人間様の隊員たちがアザズを無事捕らえたようです。
- …確認してみる。
- 主人公:
- 確認する間もなく、向こうから任務を完遂したと紅蓮とサディアスから
簡単な報告が入ってきた。 - レモネードアルファ:
アザズと私がいればオメガが閉ざしてしまったゲートを開けることは容易です。
作戦時間が大幅に短縮できるでしょう。 - レモネードアルファ:
…どうなさいますか?
- 主人公:
- 俺の答えを待つアルファの赤い瞳は俺をじっと見つめた。
- 一度隊員たちと話し合ってみる。
- レモネードアルファ:
賢明なご判断です。善きリーダーとは、部下たちの意見に耳を傾けることが
出来る方ですからね。 - レモネードアルファ:
あぁ、それから…
- 主人公:
- 通信を切ろうとしていると、アルファは俺を止めた。
- 何だ?
- レモネードアルファ:
鉄虫です。まずはこれを片づけた方がいいと思います。
- 主人公:
- アルファの言葉が終わると同時に、鉄虫警報メッセージと指揮要請が入ってきた。
- レモネードアルファ:
前向きな回答を期待しております。
- ……
- 主人公:
- 何とも表現し難い気分が顔に出ないように努めて、通信を切り部屋を出た。