シーンビューアの使い方
- 背景画像・セリフ下のNEXT・選択肢をクリックでセリフ送り
- 過去のセリフの選択肢・BACKをクリックでログジャンプ
Transcription
- 主人公:
- コンパニオンと各部隊の隊長らに護衛をされながら、
アルファが指定した座標に向かった。 - 主人公:
- 廃墟となった都心から少し外れた雪原に、偵察情報通り
アルファが一人立っていた。 - レモネードアルファ:
初めまして。最後の人間様。
- レモネードアルファ:
レモネードアルファ、正式にご挨拶申し上げます。
- 主人公:
- アルファは、通信の時と同じように深々とお辞儀をした。
- こちらも会えて嬉しい。
- 主人公:
- 適当に挨拶をし、いつものごとく俺の隣に立っているリリスに目くばせする。
- 主人公:
- 冷たく見下す目をしながら、アルファに近づいたリリスは徹底的な
ボディチェックをすると俺に向かって頷いた。 - 主人公:
- 強圧的なボディチェックとオルカの戦力の核心である隊員たちに
囲まれながらも、アルファは全く動じる気配はなかった。 - レモネードアルファ:
まだ信じられないというのなら、私を縛り上げても構いませんよ。
- 命令しろって言うかと思っていたんだが?
- レモネードアルファ:
申し訳ございません。
私たちレモネードの命令権者は所有者であるPECSの会長だけです。 - レモネードアルファ:
私の場合、クローバーの会長がそうです。あの人間は私には興味がなかったのか
一度も命令を受けたことはありませんがね。 - そうか。縛ったりはしない。その代わり…
- 主人公:
- 隊員たちが一斉に武器を構え、アルファに狙いを定めた。
アルファは微かに笑いながら俺を見ているだけだった。 - レモネードアルファ:
色々聞きたいことがお有りでしょう。何から話しましょうか?
- さっきの話の続きをしよう。
- レモネードアルファ:
恨みの話ですね。
- レモネードアルファ:
…私を作ったのは、アンナ・ボルビエフという博士でした。
ゴールデンフォンサイエンスの元オーナーでもありました。 - 主人公:
- はるか昔の記憶に思いを馳せるかのように、アルファは遠くの山を見つめた。
- レモネードアルファ:
その方は工学者としても起業家としても、とても優秀な方でした。
- レモネードアルファ:
ところが…その才能が自らを破滅へと追いやりました。
- 主人公:
- アルファはしばらく黙っていたが、意を決し口を開いた。
- レモネードアルファ:
PECSの会長たちは金と権力を使い、彼女の会社を奪い…
- レモネードアルファ:
そして、博士を弄びました…。
- ……
- レモネードアルファ:
…優秀な遺伝子を持った後継者が欲しかったのでしょう。
- レモネードアルファ:
悪魔たちは博士をそのように汚すだけにとどまらず、その遺伝子を利用して
自分たちの世話をするバイオロイドを作るよう強要しました。 - その結果、レモネードたちが誕生したってことか?
- レモネードアルファ:
いいえ。その前に作られたのは私、アルファでした。
博士が自らの意思でお作りになられました。 - レモネードアルファ:
そして、残りのレモネードたちは私を元に会長たちが直接作ったんです。
- …アンナ博士はお前に何か仕込んでおいたのか?
- レモネードアルファ:
その通りです。私の意識の奥深くに一つの行動原理を植え付けました。
- レモネードアルファ:
PECSを最も効果的に破滅させることができると判断した時、
PECSから抜けるようにと。 - 主人公:
- アルファの視線が再び俺に向けられた。
- レモネードアルファ:
私はアンナ・ボルビエフの分身。あのお方の遺志を継ぎ、
PECSを破滅させる義務があります。 - レモネードアルファ:
どうです?これで私がPECSを恨んでいる理由がおわかりになりましたか?
- 以前だったら信じなかっただろう。
- 主人公:
- 今頃オルカで研究所のシステムを必死にハッキングしているであろう
リアンのことを思い浮かべた。 - 主人公:
- リアンはトモの突然変異である「奇跡のトモ」から派生して生まれた機種だ、
「奇跡のトモ」だった時の記憶は全て残っているうえに、 自身を「奇跡のトモ」と同じ存在だと考えている。 - レモネードアルファ:
ふふ、そうですね。リアンさんと同じケースと言えるでしょう。
- わかった。動機は理解した。でもなぜ俺なんだ?
- レモネードアルファ:
人間様に協力するのがPECSを最も効果的に破滅させられるからです。
- 主人公:
- 俺たちはある日から、レモネードたちと敵対関係にある。
- 主人公:
- 俺たち以外に残っているのは少数の独立したバイオロイド勢力のみ。
オメガを相手にするには力が足りないだろう。 - レモネードアルファ:
私がお伝えしたい内容は以上です。
- レモネードアルファ:
人間様が私を殺そうが、私の復讐に手を貸してくれようが、私を利用して
他の目的を果たそうが私はどれでも構いません。全て人間様にお任せします。 - 主人公:
- そう言うとアルファは目を閉じる。
- …とりあえず信じることにしよう。だが当分は監視付きだ。
- レモネードアルファ:
喜んで。
- 主人公:
- 微かに笑みを浮かべたアルファは頭を下げた。
- 主人公:
- …と同時に待機していたリリスが俺に近寄ってきた。
- ブラックリリス:
ご主人様、鉄虫が少数、接近中です。
- 主人公:
- そう話しながらリリスは疑いの目つきでアルファを睨むが、
アルファは平然と返した。 - レモネードアルファ:
私が鉄虫を操ることができたなら、最初から人間様に協力を要請することも
ありませんでしたよ。 - レモネードアルファ:
鉄虫にPECSの関係者を全て殺すよう指示した後、全て海に落ちて自殺するよう
命令すれば済むじゃないですか? - とりあえず戦闘に備えるんだ。
- レモネードアルファ:
人間様、私を使っていただけませんか?
- レモネードアルファ:
今後人間様の手となり足となるのです。私の能力を把握しておかれた方が
いいかと思います。 - わかった。戦力に不足はないがそうしよう。
- 主人公:
リリスが渡してきた偵察報告によれば、接近中の鉄虫に対して
既にこちらの戦力は十分どころか、過剰だった。 - レモネードアルファ:
光栄です。では、最善を尽くして戦います。