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Transcription
- 主人公:
- 本格的に作戦を始める前に最終ミーティングを開くことにしている。
- 主人公:
- 時間に合わせて会議室に行こうと艦長室のドアを開けると、
初めて見る顔が俺を出迎えた。 - サラシア:
わぁぁぁ~……本物だぁ…!
- サラシア:
お姉ちゃ~ん!!本当に人間さまがいるよ!
- アンフィトリテ:
シア!勝手に行動したらダメだと……
- アンフィトリテ:
も、申し訳ありません。私が代わりに謝罪いたします……。
- 初めて見る顔だね、龍が連れてきたの?
- アンフィトリテ:
はい。航海中、生きている人間様がいらっしゃるとの単方向通信を受信し、
こちらに向かっている途中、無敵の龍様と出会いまして。 - アンフィトリテ:
あっ、いらっしゃいましたね。
- 無敵の龍:
すまない。紹介が遅れたな。
- 無敵の龍:
この者たちはアンフィトリテとサラシア。
小官が滅亡戦争当時統率していた三艦隊のうちの一つ「マーメイデン」の所属だ。 - 無敵の龍:
さぁ、2人とも挨拶を。先日話した抵抗軍の総司令官だ。
- アンフィトリテ:
アンフィトリテです。お会いできて光栄です。
- サラシア:
シアはシアだよぉ!
- 2人ともよろしく。
- 無敵の龍:
マーメイデンは機動性と低視認性を活かした沿岸戦闘に特化されている。
- 無敵の龍:
これから我々が戦う戦場の条件からして、彼女達はきっと役に立つはずだ。
- 確かに…
- 主人公:
- バンクーバー島付近の複雑な海岸線を思い出し、龍の言葉に同意した。
- ところで戦闘はできるのか?後方支援でも構わないよ。
- アンフィトリテ:
私たちは人間様、いえ、司令官様にお会いするために、
この地球の反対側までやって来ました。 - アンフィトリテ:
どんな命令でも遂行いたします。
- サラシア:
そうだよ!シア、戦うの上手なんだから!任せて!
- ありがとう。とっても助かるよ。じゃあ会議してる間―
- 主人公:
- その瞬間、艦長室にお腹が鳴る音が響き渡る。
そして、アンフィトリテの顔がゆっくりと赤くなった。 - アンフィトリテ:
あっ、これは……その……
- サラシア:
そうだ……!
- サラシア:
偉い人間さま!アンフィお姉ちゃんにご飯食べさせてくれない?
- サラシア:
アンフィお姉ちゃん、シアのせいで一週間何も食べてないの……
- アンフィトリテ:
シア!何を言ってるの!
- サラシア:
でも…
- サラシア:
偉い人間さま、お願い!今はシア、食べ物と交換できるもの持ってないけど……
すぐ何かいいもの見つけるから!お願いお願い! - そんなのいいよ。キッチンに言っておくから、ゆっくり食事してきて。
- アンフィトリテ:
そんな……タダだなんて……
あっ…ここではツナ缶を貨幣の代わりに使ったりはしないのでしょうか……? - 使えるよ。艦内に三安の営業所があるからそこで色々買える。
- アンフィトリテ:
……!こんなところにまで奴らの魔の手が……!
- アンフィトリテ:
あっ……ひとまずは了解しました。ご厚意に感謝いたします、司令官様。
栄養補給を完了したら、何かお礼になるものを考えておきますので― - だから要らないって。
- アンフィトリテ:
いえ、でも……
- 必要な物があったら物資倉庫から持っていっていいから。
- アンフィトリテ:
い、要らない……?持っていっていい……そんな食い逃げみたいなことは……
- 主人公:
- まだ信じられないような顔でぶつぶつ呟いているアンフィトリテと、
嬉しそうなサラシアをコンスタンツァに任せて会議室に向かった。 - 主人公:
- 中で待っていたアルファと龍が立ち上がり、俺を迎えてくれた。
- 今俺たちの位置はどの辺だ?
- レモネードアルファ:
たった今、コディアック島を抜け遠海に進入しました。
- 無敵の龍:
速力を上げれば予定より早く到着することもできるが。
- いや、大丈夫だ。
- 主人公:
- 作戦を決行するのは夜明け。
- 主人公:
- 早く到着して近海に留まる時間が長くなれば、
作戦に変更が生じる可能性がある。予定通りに動いた方がいい。 - 無敵の龍:
主。作戦の前に申し上げたいことがある。
- 何だ。
- 無敵の龍:
PECSの軍事力の中心はAGSだ。
だが、その中にはバイオロイドで構成された戦闘部隊も存在する。 - 無敵の龍:
諜報によれば、ほとんどはオメガの暴政に仕方なく従っているが、
中にはレモネードとその会長に心から忠誠を誓っている者もいる。 - 無敵の龍:
そして……忠誠心の強い者達はもちろん、仕方なく戦う者達が撃った弾も
当然、味方の命を奪うことになる。 - ……
- 無敵の龍:
……主は選択しなければならない。
- ……わかってる。
- 主人公:
- レモネードオメガが関係する戦いを通して、俺もそれは理解していた。
- 前も言ったが……
- 主人公:
- 俺にとって大切なものは何なのか、その大切なものを失わないために、
俺は何をすべきなのか。 - オルカの皆のためなら、俺は何でもする。
- 主人公:
- オルカの隊員達を守る為なら、たとえ相手がバイオロイドであろうとも、
敵であれば攻撃命令を出さなければならない。 - 主人公:
- 他の誰でもない、この俺が……。
それが俺の役目なんだ。 - 無敵の龍:
……
- 無敵の龍:
主の決意、小官も心に深く刻んでおく。
- レモネードアルファ:
……作戦決行に先立ち、現在までの作戦経過を報告します、旦那様。
- ふぅ……頼む。
- 主人公:
- 静かに聞いていたアルファが言う。
溜めていた息を小さく吐き出し、モニターに視線を移した。 - レモネードアルファ:
以前より世界中に行っていた宣伝工作ですが、スカイナイツのライブ映像を
拡散した結果、想像以上の効果が出ています。 - PECSや小規模の共同体に俺たちの宣伝をするってやつだな。
- レモネードアルファ:
そうです、旦那様。
- レモネードアルファ:
実際、いくつかの共同体が近くのインフラに合流していますし、
多数のPECS所属バイオロイドたちが転向の意思を伝えてきています。 - レモネードアルファ:
身元不詳であったり、PECSのスパイと疑われる者たちを除いたとしても、
その数は相当なものです。 - レモネードアルファ:
そして今回の作戦で、彼女たちはオルカ号に合流するわけです。
- 主人公:
- 俺たちと敵対している勢力のうち、鉄虫と星の落とし子は
現在のオルカ号の戦力では敵わない。 - 主人公:
- しかしPECSは違う。今回突き止めた奴らの弱点をうまく突けば、
レモネードたちを排除して、その勢力を吸収できるかもしれない。 - 主人公:
- そう考えると、やはり「鉄の王子」の研究所で
オメガを逃がしたのが悔やまれる…… - あの時オメガを逃がさなければ……
- レモネードアルファ:
いいえ、あの時は逃がして正解でした。旦那様。
- それは何で?
- レモネードアルファ:
レモネードシリーズのうち、忠誠派のガンマとデルタはオメガよりも
ずっと過激な思想を持っています。 そこにまだ穏便な方のオメガが戻るのは決してマイナスではありません。 - 無敵の龍:
……
- そうか……
- 主人公:
- ガンマとデルタはアレよりも過激なのか……
- 他のレモネード達の動向は?
- レモネードアルファ:
ベータは私が離脱した後、PECS内部での立場は転落しました。
私と一緒で会長たちの復活には反対する立場にいましたから。 - レモネードアルファ:
ゼータは自分の勢力の拡充にしか興味がありません……典型的な中立派です。
- レモネードアルファ:
イプシロンは……よくわかりません。オービタルウォッチャー担当として管理に
あたっていますが、軌道ステーションに駐在していて会ったことはありません。 寝ることが好きということ以外は何も…… - 無敵の龍:
オレンジエードはどうだ?敵地で情報戦を展開中だと聞いているが。
- レモネードアルファ:
バンクーバー周辺に集まった難民たちと合流したそうです。
- 難民のリーダーが誰だか分かったのか?
- レモネードアルファ:
いいえ、まだです。かなり慎重な感じですね……。
送られてきた情報から判断すると、PECS上層部の人物であることは確かです…… - レモネードアルファ:
身元が明らかになっていないため不安ではありますが……
アメリカ大陸の詳細な兵力配置図と作戦計画まで提供してくれたことからして、 罠ではないと思われます。既に検証済みです。 - レモネードアルファ:
そして、明日作戦を決行する際、オレンジエードが正式に接触すると
言っていました。もし旦那様が不安なのでしたら…… - いや。作戦は予定通りに決行してくれ。
- 主人公:
- ここで引き下がってしまえば、まだ会ったこともないのに
俺を信じてくれた難民たちがどうなるのか、火を見るより明らかだ。 - ……
- 主人公:
- そして、情報戦で内部を揺さぶっている今こそ、
PECSを崩せる二度とないチャンスだ。