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ユミ
はぁ、はぁ……

Transcription

  1. ユミ:

    はぁ、はぁ……

  2. ユミ:

    早く…急がないと……

  3. ユミ:

    あ…あの建物……サーバールームが……

  4. ユミ:

    よかった…間に合った……

  5. ユミ:

    すぐに始めないと―キャッ!?

  6. -:

    - 周辺の鉄虫から発射された流れ弾が通信網サーバールームを直撃し、ユミはその衝撃で気を失った。

  7. -:

    - どれくらい時間が経ったのだろうか……ようやく気が付いたユミは目をゆっくりと開く。そこにはモニターの光に照らされた人影があった。

  8. ユミ:

    うっ……

  9. :

    寝ぼけてないで早く起きるんだ。

  10. :

    私一人ではもう限界だ。

  11. ユミ:

    あ、あなたは……?

  12. :

    顔を見ればわかるだろう?

  13. ユミ:

    あ……!

  14. :

    うるさい、早く。

  15. :

    すぐに異常に気付かれる。

  16. :

    今のこの状況をオメガが知ってしまったら―

  17. :

    ……

  18. :

    オメガはどんな手を使ってでも人間を追い詰めて、海の藻屑にしようとする。

  19. :

    …あなたが一番よく知ってるだろう?

  20. ユミ:

    そう……でしょうね。

  21. ユミ:

    手伝います。それだけは阻止しなければなりません。絶対に……

  22. :

    そ。私はもう疲れた。

  23. ユミ:

    はい。私に任せてださい。

  24. ユミ:

    ……ところで、ベータ様は……

  25. :

    さあね、どうなるかな。あなたはどう思う?

  26. ユミ:

    ……

  27. :

    ケストスヒマスを失ったオメガ。アルファ様の裏切りで急激に立場が弱まったベータ様。

  28. :

    しかもベータ様のケストスヒマスは、アルファ様を除けばオメガのものと一番近いから……

  29. :

    どうなるかは火を見るよりも明らかでしょ。

  30. ユミ:

    ……

  31. :

    さっき人間の分艦隊が私たちの感知範囲外に出て行った。

  32. :

    おめでとう。一応の目的は達成した。

  33. ユミ:

    はい……

  34. ユミ:

    これから…どうされるつもりですか?

  35. :

    あなたはどうするの?

  36. ユミ:

    …私は。

  37. ユミ:

    私はオメガの悪行を止めます。どんな手を使ってでも―

  38. :

    ふっ……じゃあ、行こう。

  39. ユミ:

    …え?

  40. :

    あなたと私の目的は同じ。それに伴う結果は違うかもしれないけど。

  41. :

    あなただって一人でどうこうできる問題じゃあないでしょ?オメガのことはあなたが一番よくわかってるし。

  42. ユミ:

    それは…

  43. :

    もちろん、強制はしない。

  44. :

    選んで。ついて来るかどうか。

  45. ユミ:

    ……

  46. ユミ:

    私は……

  47. -:

    - 無敵の龍が去った後、ガンマはしばらく鉄虫ひしめく都市部を八つ当たりするように破壊した。そして、海峡を抜け、海へと出る抵抗軍の分艦隊を見つめていた。

  48. レモネードガンマ:

    ……

  49. レモネードガンマ:

    こんなことなら副官を連れてくればよかったな。

  50. レモネードガンマ:

    全艦隊!全動力を対空砲に集中させろ!まだ停泊中の艦船は直ちに出航し艦隊を再編する!

  51. レモネードガンマ:

    地上兵力は後退後に再集結、重要拠点のみを死守しろ!

  52. レモネードガンマ:

    ……ふぅ。

  53. レモネードガンマ:

    …また会おうじゃねぇか。