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Transcription
- 主人公:
- メイ率いるドゥームブリンガーの爆撃と無敵の龍率いる分艦隊の砲撃によって、
バンクーバー島に作戦基地を確保した。 - 主人公:
- ここから作戦は秒単位で物事が進んでいく。
最短時間で決定し、実行に移さなければならない。 - 主人公:
- ところがよりによって……このタイミングで問題が発生した……。
- ブラックリリス:
ご主人様、全員集まりました。
- ありがとう。
- 主人公:
- リリスは俺に向かって静かに微笑むと、俺を警護する時のいつもの位置に戻った。
- 不屈のマリー:
アルファ殿はどこだ?
- 無敵の龍:
協力者と同時にPECSの西部地域の情報ネットワークを攪乱しているとのことだ。
作業に集中するためにも、対策会議に参加できない非礼を許してほしいと言っていた。 - 不屈のマリー:
なるほど、そうか……他の指揮官たちも突発的な事態に対応するため、
陣営の変更と装備の再点検などで参加できないそうだ。 - 時間がない。すぐに始めよう。
- 主人公:
- 今回の難民護送作戦は迅速性が求められる。
だがやるべきことが山積していた。 - 主人公:
- 臨時指揮所のテントに設置された大型スクリーンに
バンクーバー島とバンクーバーの都市、PECSの軍港があるシアトルが 見える作戦地図を映した。 - 主人公:
- とりあえずはポートレンフリューに橋頭堡を確保した。
- 主人公:
- オルカ号の指揮通信がPECSの監視網に引っかかるのを避けるため、
地上に臨時指揮所を設置。現在の状況はざっとこんな感じだ。 - 主人公:
- そしてドゥームブリンガー、アーマードメイデンを乗せた輸送機が
バンクーバー国際空港に向かい… - 主人公:
- 難民を護送する輸送機の離着陸場の確保及びバンクーバーの駐屯軍に
爆撃を加えるという計画だ。 - 主人公:
- 同時にアンガーオブホードはバンクーバー空港の南、ブレイン方面に展開。
- 主人公:
- 増援が予想されるPECSの迅速対応軍の足を止める。
- 主人公:
- そして龍が率いる分艦隊とホライゾン、今回合流したマーメイデンの戦闘員たちは
バンクーバー空港の南にある群島で防衛線を張る。 - 主人公:
- PECSの軍港の1つであるシアトルから出港し、北上してくるであろう
ポセイドン艦隊を阻止する。 - 主人公:
- 少数の人員で必要な場所だけに戦線を張り、難民輸送を迅速に達成する。
- 主人公:
- それが今回の作戦の戦略目標だったのだが……
- 龍。状況に変化があったって?
- 無敵の龍:
うむ。先にいい知らせだ。
- 無敵の龍:
以前偵察した時はバンクーバー島に連隊規模のバイオロイド兵力が駐屯中だったが、
最新の情報によれば2日前に全て内陸に移動したそうだ。 - 無敵の龍:
ここだけではなく全ての海岸拠点で同じような状況が報告されている。
- 兵力を招集しているのか?
- 無敵の龍:
残念ながらそこまでは把握できていない。
それに関してはオレンジエード、それからアルファ殿とネットワークを攪乱している 内部協力者に話を聞いてみるのがいいだろう。 - わかった。その情報だけなら作戦遂行に支障はない。
- 無敵の龍:
うむ……次は悪い知らせだ。
- 不屈のマリー:
そのために対策会議を開きました。
- 不屈のマリー:
頭が痛い……。よりによってこのタイミングで…
- ……
- 主人公:
- シアトル軍港に入港した艦隊の写真資料がスクリーンに映し出された。
- 不屈のマリー:
アナイアレイター。殲滅者。
- 不屈のマリー:
ポセイドンインダストリーの会長の戦争狂気質を体現した最大最強の軍艦。
- ポセイドンインダストリー…
- 不屈のマリー:
滅亡戦争当時、陸に比べて鉄虫に有利だった海上を掌握するために
PECSが建造した戦艦です。 - 不屈のマリー:
常温核融合炉を搭載することで作戦時間に制約がなく、
同じ重さの金よりも高価な特殊合金で装甲板を覆っています。 - 不屈のマリー:
そして、機動型鉄虫に対する対応能力を備えるため、対空砲とCIWSが甲板に
ぎっしりと設置されているのはもちろん、デタラメな火力を持つ艦砲…… - 不屈のマリー:
一隻で一艦隊の作戦能力を発揮できる旗艦。
- 不屈のマリー:
その船主であるガンマについては、私よりも詳しい者がいます。
- 主人公:
- マリーがそう言うと、リリスと俺は無敵の龍に目を向ける。
- 主人公:
- 第2次連合戦争でPECSとブラックリバーが同盟を組んでいた当時、
龍は総司令官をしていたからだ。 - 無敵の龍:
……
- 龍、ガンマについて何か情報は?
- 無敵の龍:
初めて会った時はレモネードガンマだとは知らなかった。
- 初めて会った時?
- 無敵の龍:
連合軍司令部にポセイドンインダストリーの会長が一人のバイオロイドを
連れて現れた。副司令官を務める「ガンマ」だと紹介していた。 - 無敵の龍:
ガンマは……
- ⁇:
やっぱりここだったか。数十キロ離れた場所からも火薬の匂いがプンプンしたからな。
- ⁇:
何だ?これは……地形図か?ふ~ん……そうか。
何を企んでいるのか何となくわかった。 - ⁇:
空港で誰かを乗せようとしている……いや、誰かではないか。
それにしては作戦の規模がデカすぎる。大規模輸送作戦ってところか。 ふむ……これはPECSから抜ける裏切り者たちか! - ⁇:
それで?この軍港写真といい、アナイアレイターといい、もしかして私の話を
していたのか?カハハハッ!!ちょうどいいタイミングで来たみたいだなぁ!オイ! - 主人公:
- 楽しそうに笑い出したと同時に、警報が鳴り響いた。
- 無敵の龍:
レモネードガンマ……!
- レモネードガンマ:
久しぶりだな、龍!目覚めたって話は聞いていた。会いたくて仕方がなかったぞ!
- レモネードガンマ:
お前も嬉しいだろう!?カハハハッ!
- 不屈のマリー:
閣下、私の後ろへ……!
- ブラックリリス:
ご主人様、私の傍から離れないでください。
- 主人公:
- オルカの核心戦力が集まっている臨時指揮所。
そこに一人でやって来たガンマは、俺には目もくれず、 龍だけに熱い視線を向けていた。 - 無敵の龍:
そんなに小官に会いたかったなら、アミーナに合流すればよかったものを……。
- レモネードガンマ:
会長の命令があったからなァ。
冬眠から目覚めるまで戦力を温存させておく必要があった。 - レモネードガンマ:
あん時は裏切り者もいたし、艦も少なくて戦力では到底敵わなかったがよ―
- レモネードガンマ:
今はちょうどいい大義名分もある。どうだ、龍?
- レモネードガンマ:
ここでタイマン勝負でもするか!?
- 無敵の龍:
…ふん。武装もせずによく言う。答える価値もない。
- 無敵の龍:
非武装状態でここまで来たということは、相当な自信があるとしか思えない。
何が目的だ、さっさと言え。 - レモネードガンマ:
流石だな龍。状況把握が早い。
- レモネードガンマ:
単刀直入に言う。他のレモネード達はまだここが攻撃されるとは思っていない。
- レモネードガンマ:
それから私はこの事をあいつらには教えねぇ。理由は……わかるよな?
- 無敵の龍:
……小官と勝負するためか?
- レモネードガンマ:
その通り。
- レモネードガンマ:
最強の私と無敵のお前がぶつかり合う。敗者は死に、勝者は海の覇者となる!
- レモネードガンマ:
どうだ、最高だろ!!カハハッ!!想像するだけでゾクゾクしてくる!
- 無敵の龍:
一つ答えてもらおう、ガンマ。そなたのその自信、どこから来ている?
- レモネードガンマ:
ふん、そんなことか……まぁいい。
- レモネードガンマ:
アルファの裏切りの後、私たちは定期連絡を取ることになった。
めんどくせぇと思っていたが…… - レモネードガンマ:
もうすぐ定期連絡の時間だ。今私を捕まえたり殺したりすれば、オメガの奴が
すぐに勘付く。そうなれば…お前達が気にしている西部の迅速対応軍だけじゃなく、 PECSの全兵力が狂ったようにここへ押し寄せてくるぞ。 - レモネードガンマ:
あぁ、うちの軍の配置は知ってるか?知らないなら教えてあげてもいいが?
- ブラックリリス:
ふん。あなたを捕まえて虚偽の報告をさせればいいこと。拷問をしてでも!
- レモネードガンマ:
お~怖い怖い……。本当にそうするつもりか?そんなの面白くねェだろ……
- ブラックリリス:
面白いか面白くないかはやってみないとわからないんじゃないです?
- 待て、リリス。
- 主人公:
- 虚勢を張っているようには見えなかった。
おそらく……ガンマは拷問に屈するような奴ではないだろう…… - 主人公:
- その証拠に、ガンマをよく知る龍も彼女を捕まえようとはしなかった。
- レモネードガンマ:
ほら、どうするよ?
- レモネードガンマ:
私の艦隊と戦うか、それともオメガが率いるPECSの全兵力と真正面から戦うか。
- レモネードガンマ:
お前なら賢明な決断ができると信じてるぞ、龍。
- 無敵の龍:
……
- レモネードガンマ:
オイオイ、よく考えてみろ。
どっちにしろ本来のお前達の計画と大して変わんねーだろ? - レモネードガンマ:
私が追加されたってことを除けばな!
- 無敵の龍:
ガンマ……!
- レモネードガンマ:
ゆっくり考えていいんだぞ。時間ならたっぷりある。
- レモネードガンマ:
だが、お前達には時間がない。だろ?そういえば、これって奇襲作戦だったな?
ここを占拠した時から時計の針は進んでいる。チクタクチクタクってな! - 無敵の龍:
…主。
- 主人公:
- 判断を仰ぐように、龍が横目で俺を見る。
- 主人公:
- するとガンマは俺の存在にやっと気づいたかのように、大げさな態度を取った。
- レモネードガンマ:
あ~!!誰かと思えば。
- レモネードガンマ:
抵抗軍を率いる最後の人間ってのはお前だったのか!
- 無敵の龍:
動くな!ガンマ!
- 不屈のマリー:
その足、一歩でも踏み出そうものならただではおかん!
- 主人公:
- 二人の警告にもかかわらず、ガンマは一歩踏み出した。
- 主人公:
- その瞬間……
- ブラックリリス:
警告はしました。
- 主人公:
- 一瞬の出来事だった。リリスが躊躇なく発射したブラックマンバの弾丸は、
ガンマの眉間に向かって一直線に飛んでいく。 - 主人公:
- こうなってしまったのなら仕方ない。ガンマが言っていた定期連絡まで
あとどれくらい時間が残っているのか、今回の作戦にかかる時間がどれくらいなのか、 頭の中で計算し始めた。 - レモネードガンマ:
さっきから思ってたんだけどよォ…
- 主人公:
- 至近距離から発射された弾を、ガンマは首を少し傾けただけで避けていた。
- レモネードガンマ:
言おうかどうか迷ってたんだが……もう我慢できねぇ……。
イライラしてブチギレそうだ。 - レモネードガンマ:
お前……どうしようもなく面白くねェやつだな。
- ブラックリリス:
言いたいことはそれで終わり?
- リリス!
- 主人公:
- 戦闘態勢に入ったリリスを止める。
- 主人公:
- どう考えても無事に作戦を終わらせるには最低3時間は必要だ。
西部の迅速対応軍だけでなくPECSの全兵力が押し寄せてきたりしたら…… - 待て。
- ブラックリリス:
……
- ブラックリリス:
はい、ご主人様。
- レモネードガンマ:
やっとお話ができるようになったか?
- レモネードガンマ:
そう心配すんな。お前たちの大事な人間様には特に興味は無ぇ。
ただまぁ、一応司令官らしいからな、挨拶くらいはしておこうと思っただけだ。 - レモネードガンマ:
戦争を始める前に握手でもしておこうじゃねぇか……。
紳士らしく……な? - 主人公:
- 俺の前に堂々と立ったガンマは手を差し伸べてきた。
まるでこの後スポーツの試合で戦うかのような空気で…… - そうか。いいだろう。
- 主人公:
- 緊張感漂う張り詰めた空気の中、俺は躊躇うことなくガンマの手を握った。
- 紳士らしく。
- レモネードガンマ:
ほ~?
- 主人公:
- これは一種の挑発であり、試されている。ガンマは俺の表情を見ている。
バイオロイドがいなければ何もできない、無能な存在だと挑発しているのだ。 - 真面目に聞くぞ。
- レモネードガンマ:
何だ?
- 降伏して、俺の命令を聞かないか?
- レモネードガンマ:
くくくくっ……ぷはははっ!
- レモネードガンマ:
はははははは!!何だよ、こんなにおもしれぇ人間だったとは思わなかったぞ!
- レモネードガンマ:
残念だが、断るしかなさそうだなぁ。
私に終わりのない戦争をもたらしてくれるのは、うちの会長ただ一人だ。 - そうか?なら仕方ないな。
- レモネードガンマ:
ははははっ!だが結構気に入った!
龍ほどではないが……まぁ、そうだな、龍の次だな。 - 主人公:
- 本当に楽しそうに話しながらガンマは体を翻し、俺に背中を見せた。
- レモネードガンマ:
あ~、そうだなぁ。今日はマジで気分がいい……。一つ譲るとしよう。
- レモネードガンマ:
作戦をそのまま進めようが撤退しようが好きにしろ。
私はお前たちが動いたあとで動いてやる。 - レモネードガンマ:
なるべく前者を選択するんだな。お前達がもし面白くねぇ選択なんかしたら、
頭のてっぺんまでブチギレた私が裏切り者達にどんな真似をするかわかんねぇからな… - レモネードガンマ:
わかったな……?龍。
- 主人公:
- 最後にそう言ってガンマは後ろを振り向くこともせずに立ち去った。
- 主人公:
- 今からでもガンマを捕まえようと思えば捕まえることはできる。
龍とマリーが目で俺の意思を問うてきたが、首を横に振った。 - 見送ってやれ。
- 主人公:
- 作戦を成功させるためには、強敵を倒せるチャンスを
大人しく見逃すしか方法がなかった。 - レモネードアルファ:
旦那様、大丈夫ですか!?ガンマが乗り込んできたと聞きました!
- 主人公:
- ガンマが去ってそれほど時間が経たないうちに、
血相を変えて指揮所に駆け込んできたアルファに一部始終を説明した。 - 不屈のマリー:
哨兵からの目撃報告も、接近反応も、監視映像にも
何の痕跡も残っていませんでした。 - 無敵の龍:
恐らくスーツのステルス機能を使ったのだろう。ガンマだけに許された特別な装備だ。
- …アルファのような情報戦タイプじゃないのか?
- レモネードアルファ:
そうです。ガンマのケストスヒマスはType Combat。
使用者の身体能力、戦闘能力を極限まで引き上げることに重点が置かれています。 - レモネードアルファ:
そして、そこに連動された多機能バトルスーツと巨大なガントレットを使って、
敵を滅多打ちにして粉砕するのがガンマのやり方です。私やオメガとは正反対です。 - 不屈のマリー:
リリス警護隊長は全てのコンパニオンとバトルメイドを配備中です。
- 不屈のマリー:
当面は警護態勢を一級から特級に格上げするとのことで、
不都合があってもご理解頂きたいとの伝言です。 - わかった。
- 無敵の龍:
アナイアレイターが入港しているならば、ガンマも当然近くにいるというのは
わかりきっていたはずなのに……。だが…… - 無敵の龍:
あんな風に乗り込んでくるとは……小官の不覚だ。
- レモネードアルファ:
たった今オレンジエードから報告が入ってきました。
ガンマの言う通り、PECS本隊はまだここの状況を知りません。 西部の迅速対応軍にも動きが全くありません。 - レモネードアルファ:
そして、協力者からもオメガの位置情報が入ってきました。
バイオロイド兵力を率いて大陸の東側、勢力の心臓部へ向かったとのことです。 - 主人公:
- オレンジエードからの報告と内部協力者の情報が事実なら、
ガンマは嘘を言っているわけではなさそうだ。 - 主人公:
- しかし、ガンマと彼女の旗艦というとてつもない変数が発生した今……
- 無敵の龍:
心配は無用だ、主。
- 無敵の龍:
ガンマの登場は確かに想定外の状況ではあるが、それに対応できないという
話ではない。 - 主人公:
- その自信に満ちた顔を見て、龍が何と呼ばれているのかを改めて思い出した。
- 無敵の龍:
小官に任せてくれ。
- 主人公:
- ブラックリバー、いや、この世界全ての海軍を指揮していた龍は
海での戦いにおいて、敗北を知らない。 - 主人公:
- だから「無敵の龍」なのである。